
2025年8月21日に発売された、灯野リュウさんの著書「渋谷神域」。
舞台は、日本に住む人なら、行ったことがなくても馴染みのある、渋谷という街である。
誰もが「若者の街」として思い浮かべる“渋谷”と、歴史の重みを感じる“神域”。
一見相反する言葉に思える、ふたつの言葉が、物語の中では不思議と溶け合っていく。
作中には、実際に渋谷に存在する多くの神社が登場する。
こんなにたくさん神社があることをどのくらいの人が知っているだろうか。私自身、渋谷には何度も足を運んでいるのに、明治神宮しか知らなかった。
物語を読み進めるうちに、神社や街にまつわる歴史や伝説が次々と結びついていく。読み終わるころには渋谷に行きたくてしょうがなくなる。
また、灯野リュウさんは、別名「ミルクティー飲みたい」という名前で都市伝説を発信するYouTuberである。
膨大な情報を収集し、幅広い知識で物語を組み立てていく能力、また誰にでもわかりやすく伝える能力は、都市伝説YouTuberとして人気があるミルクティーさんならではの才能だと感じる。
私は、5~6年前から、毎晩のように睡眠導入として、彼の都市伝説を聴きながら眠っているファンだ。彼の声は、不思議で、心地よい波のようなゆらぎと、その中に一本の筋が通っているような、優しいお経のような声なのだ。(失礼だったらごめんなさい、本当に素敵な声です。)
渋谷神域は彼の初の小説で、主人公の響一は、彼の若いころと重ね合わせている部分が多いそう。
ファンとしては、彼の頭の中を覗き見ることができるのも嬉しいポイントだ。
そんな彼が描いた“渋谷”には、実際に住んだ経験と、膨大なリサーチが息づいている。
著者は渋谷に住んでいたことがあるそうだ。
住む前にその土地のことを徹底的に調べるタイプで、渋谷に住むと決めたときも、例外なく過去の地図や歴史を調べていくうちに、渋谷の面白い歴史がわかり、この小説を書かなければいけないと思ったそうだ。
以下、本のあらすじ。
YouTube累計再生数1.3億回超。
都市伝説界の異才が描く、初小説。
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「この世界とは違う世界って、あると思いますか?」
ある日、SNSで突如トレンド入りした
「#神隠し」 「#記憶喪失」 のワード。
渋谷を中心に、謎の失踪を遂げた若者たちの証言。
彼らの共通点から浮かび上がってきたものとは──。
舞台は、誰もが知るはずの渋谷。
スクランブルスクエア、キャットストリート、明治神宮……
現実と異世界のゆがみが、静かに交差をはじめる。
あなたの“記憶”も試される、新感覚ミステリー。
読み終えたとき、街の見え方が180変わる。
何度も読み返したものの、全てを理解するのは簡単ではなかった。
結末の解釈にも自信が持てず、ズボラな私は「渋谷神域 考察」で調べたが、考察はほぼ見当たらず、感想を書いている人もまだ少ないようだった。
そこで今回は、私なりの考察をまとめてみることにした。
読んだ方の感じ方や気づきを、コメントで教えていただけたらとても嬉しい。
ミルクティーさん曰く、この物語は3層になっているという。
①普通に読んで理解できるシナリオ。
②書いてない部分から浮かび上がる物語。
③本の中のキーワードを調べて見えてくる深層。
「担当編集の方でも、1.5層くらいの部分でしかわかっていない」と話していて、読者の考察に期待しているそうだ。
ここからは、ネタバレ含みます。
まだ読んでいない方は、ぜひ読後に戻ってきてくださいね!
チランチララン…🛎️
どこまでが現実で、どこからがファンタジーなのか
『渋谷神域』には、実在の地名や出来事が数多く登場する。
歴史的な根拠に基づいた描写が多く、読み終わるころには、まるで本当に起きた出来事のように錯覚してしまうほどだ。
そこで、どの部分がフィクションなのか調べてみた。
驚くべきことに、ほとんど実在していた!
物語に登場する伝説の数々は、古い書物や口伝として実際に残されているものばかり。
まず、最初のページに物語を読み解く上で必要な渋谷の簡単な地図があるが、そこに描かれた神社や建物のほとんどが、現実にも存在している。
唯一実在しない(というか名前が違う)のが、主人公・響一のバイト先「丁字屋書店」だ。
実際この場所にあるのは山陽堂書店だが、おそらく丁字屋書店のモデルになっている。
ミルクティさんが書籍出版後に、インスタのストーリーで意味深に山陽堂書店の外観の写真をあげていた。
山陽堂書店は1891年(明治24年)創業の老舗。山手大空襲で表参道一帯が焼け野原になった際、地下空間に湧く地下水のおかげで建物が奇跡的に焼失を免れたという。
まさに“神域”という言葉が似合う場所だ。
ちなみに、「丁字屋書店」と検索すると、福島県相馬市にある「丁子屋書店 」がヒットする。
直接の関係は明らかではないが、ミルクティーさんが福島県出身であることを思うと、どこかで故郷へのオマージュが込められているのかもしれない。
実在するもの
- 駅名全て (渋谷駅・表参道駅・原宿駅 etc…)
- 道の名前全て (明治通り・青山通り・国道246号 etc…)
- 神社全て (明治神宮・金王八幡宮・穏田神社 etc…)
- 施設 (ラフォーレ原宿・ミヤシタパーク・青山ブックマーケット・表参道ヒルズ・同潤会アパート・コープオリンピア・松濤美術館・国連大学のバザー・文化村の閉店した書店)
- 青山星燈籠
- 渋谷東宝映画劇場 → 現:TOHOシネマズ渋谷
神社について、流歌が購入する明治神宮の金色の鈴(やわらぎの鈴)、金王八幡宮の金王桜、なども実在し、場所や外観についての表現も正確だと思われる。
青山星燈籠については実際に江戸時代から明治時代の初期まで、青山・百人町周辺で行われていたらしく、現在も「ののあおやま」で毎年9月に行なっているようだ。山陽堂書店2階のギャラリーでは、星燈籠の特別展示も行われるらしい。ポスターに大きく七芒星が描かれているのをみてドキドキした。
文化村の閉店した書店は、名前は出てこないが、恐らく2023年1月31日に、土地開発計画に伴って惜しまれつつ閉店した複合施設Bunkamuraの「NADiff modern」のことだと思われる。
流歌の家に向かう途中にある、松濤美術館や、大きな公園も実在する。公園の名前は本では紹介されないが、恐らく渋谷区立鍋島松濤公園のことだろう。広い公園で、池があり、水車もある。水車…。
実在しないもの
- 丁字屋書店 → 山陽堂書店
- Seven → Seven three ?
- 紫春飯店 → 紫金飯店 ?
七海が“なみ”という源氏名で働いている、西麻布の会員制高級ラウンジ「Seven」。こちらは、調べたところ実在しなさそうだ。ただ、昔、その周辺にあった「Seven three (73)」というバーがヒットした。7と3は物語のなかで大きなキーワードになる数字。そのバーはSevenのように7階にあるわけではないのだが、“なみ”という源氏名も含めて、このバーから着想を得たのではないだろうか。
響一が好きな中華料理屋・紫春飯店は紫金飯店を参考にしていると思われる。メニューの玉子チャーハンや酸辣湯麺も実在する原宿のお店だ。
キーワード
続いて、物語を読み解く上で重要なキーワードをまとめてみる。
数字
3
- ジブヤトライアングル
- 響一・鼓・流歌の3人
- 三島(主人公の苗字)
- 響一が人の視線に気づくまでの時間3秒
- 三角(金田がカシワギに勝利したときの技名)
- 渋谷東宝映画劇場は、1936年11月1日開場。(111で3…?)
- ポポリレの12/24 渋谷スクランブルスクエアのライティング終了時間 1:11(111で3…?)
7
- 鈴に描かれた七芒星(星燈籠)
- 北斗七星
- 7つの神社
- 西麻布の会員制高級ラウンジ「Seven」
- 島本七海
- 7番スクリーン。(葵桜の集会の場所)
- 神は7日間でこの世界を創ったので、神の数字と言われている。
作品
小説の中で、登場する作品を調べてみた。
明言されていない作品もあり、ヒントを頼りに探しだした。(間違いがあれば教えてほしい)
音楽
- Cold play (明言されていないが、響一が高校時代気になっていた女の子に教えてもらったバンド。聴くと厳しい冬の寒さを思い出す。)
- Red Hot Chili Peppers / The Getaway (日本語で「逃走」という意味だが、このアルバムを聴いた後、つけられていることに気づき、逃走に成功する。こちらも明言されていない。)
- スマッシング・パンプキンズ / tonight,tonight (世界が終わる時にあげる動画のBGMはこの曲にしたいと響一が言う。ミルクティーさんらしい選曲。日本語訳を検索してみてほしい。)
- Demi Lovato / Sunset (響一が夕陽に似合う曲で「Oh yeah」から始まる曲と言ってるが、この曲かどうかは自信がない。)
本
- アガサクリスティ / 春にして君を離れ (七海が一番好きな本。幸せに生きてきたつもりだった40代主婦のロマンチックサスペンスらしい)
- シャーロックホームズ 「全ての不可能を除外して、最後に残ったものがいかに奇妙なことであってもそれは真実となる。」(序盤で変な事件ついて響一が店長にたずね、二人で一緒に言う。シャーロックホームズは鼓がワトソンだと言われたり、何度か出てくる。ミルクティーさんの生配信での発言によると、ミステリにはいくつか型があって、シャーロックホームズがいてワトソンがいるという型は、最も物語をスムーズに進めやすいそうだ。)
動物
蟻
冒頭。「渋谷で蟻を見たことがない。」ハチ公の裏の花壇にはいなかった。明治神宮の芝生に横たわっている時についに発見する。また、ポポリレのサイン会では、渋谷スクランブルスクエアの上から見下ろすと、人が蟻のようにみえる。都会の蟻は、見ようとするものには見えるということの象徴なのか?
梟 / フクロウ
響一は、渋谷スクランブルスクエアや、六本木ヒルズなど超高層ビルは梟に見えると言う。蜷川を後ろから見ていた時、突然フクロウ(この時だけカタカナ表記)のように首を回して振り向く。それをみて、忍者のようだと話す。調べると、梟は、片時も眠らずに活動できることから忍者の隠語としてよばれることがあるそうだ。スクランブルスクエアは、葵桜(昔は忍者)の重要な建物なのでそう見えた?蜷川も葵桜のメンバーだが、なぜカタカナ表記のフクロウ?
黒猫
穏田神社で響一が空に入る前後で現れる。おじいちゃん猫で名前をつけるとしたら冥王のメイにしたいと思う。黒猫が横切ることは悪いことの前触れと思われがちだが、響一は黒猫が好きなので幸運の前触れと捉えるということがあえて書かれている。黒猫が導き、助けてくれたということか?
金
- 金王丸、金王桜、金王八幡宮
- 流歌が明治神宮で買った金色の鈴(やわらぎの鈴)
- 金田大王
- なみ(七海)のピアス ゴールド
- ポポリレの12/24 渋谷スクランブルスクエアのライティング (黄金の輝き)
- 最後のシーン 「ゆるやかに流れていた風が、透き通った黄金色になって。」
葵桜
徳川家康が、伊賀の忍者を隠田(現:穏田)に住まわせ、その末裔が青山百人組=葵桜となった。
原則百人で構成され、入る方法は2つ。
①メンバーの血縁者。②メンバーが後継者として選ぶ。(その場合は2人見届け人が必要。)
その頂点は金王丸で、渋谷の王とされる。
メンバー
- 丁字屋の店長、河崎さん (本人が認めているので確実。)
- 金王八幡宮の宮司・青山さん (青山百人組の子孫なので恐らく。)
- 西麻布から帰りのタクシー運転手さん (鈴を椅子に忘れていることを、響一にわかるように伝え、お疲れ様ですと言う。店長が後に、タクシー運転手にもメンバーがいると言う。)
- 蜷川たち3人組 (確実)
- 流歌のお父さん (物理学者で海外にいるが、葵桜の集会に現れた、米国で理論物理学の研究をしている男と同一人物だと思われる。響一が親しみのある顔。と言っている。)
- 流歌 (確実)
派閥
- 坂東派…武士や忍者。(最近、蜷川たちを筆頭に、渋谷の裏側を海外に売ってお金にしようとしている。)
- 吉田派…信仰や祭事をまとめる。
- 野崎派…市民。
金王丸
金王丸は別名渋谷金王丸常光といい、源義朝の家臣。また、東郷平八郎は金王丸の子孫。
金王八幡宮にある金王桜は源頼朝が、父義朝に仕えた渋谷金王丸の忠節を偲び、金王丸の名を後世に残すべしと厳命し、鎌倉亀ヶ谷の館にあった憂忘桜をこの地に移植させ、「金王桜」と名付けたとされている。
葵桜のトップとしての金王丸になるためには、器が必要。儀式は空のなかで行われ、資格があるものしか中に入れない。金王丸から直接継承される。
結末について
響一、鼓と3人で異世界の調査をすることになり物語は展開していくのだが、流歌には謎が多い。
物語の結末、つまり、誰が金王丸になったのか、そこの考察の前に、流歌についてまとめる。
祁答院 流歌
流歌は、“ポポリレ”という名義で、正体不明の芸術家として国際的に評価されている。
原始人類や自然崇拝から受けたインスピレーションを現代風に再解釈している作品が多い。
流歌は、小5〜15歳の冬ごろまで異世界へ自由に行き来することができ、その世界でのことを忘れないために、絵日記のように残していたものがいつのまにか評価されるようになった。
渋谷神域の背表紙の絵は異世界の中にいる流歌の絵だと思われる。
祁答院家
祁答院という苗字について調べてみたところ、薩摩にルーツがある苗字で、本家の澁谷家から、東郷家と祁答院家に分かれたらしい。流歌の家には日本刀があったり、東郷神社に行った時、東郷平八郎について詳しく知っていたりしたところからも、流歌の家は代々葵桜のメンバーで、恐らく坂東派なのだろう。上にも書いたとおり、流歌のお父さんはおそらく葵桜の重要なメンバーである。
誰が新・金王丸になったのか
金王丸を受け継ぐ儀式で、響一が流歌と空の世界で会う。
金王丸に選ばれるのは一人のはずだが、結局どちらが金王丸になったのかは、書かれていない。
ここからは推測になるが、流歌は、昔からいずれ自分が金王丸になるのだと思って、生きてきたのだと思う。お父さんからそういう話を聞かされていたり集会にいったりしていたのだろう。もしかすると流歌のおじいちゃんが直近の金王丸だったのかもしれない。
丁字屋の店長は、直近の金王丸と友人で、響一と若い頃の金王丸は、よく似てると言ってたから、流歌も同じように、自分の祖父と響一は似ていると感じていたのかもしれない。
ずばり、金王丸になったのは響一だと思う。
流歌が響一に出会ったのは偶然だ。ポポリレのサイン会で、たまたま鼓に連れてこられた響一を目の前に、彼のYouTubeのファンだった流歌が自分の素顔を晒して話しかけたことで出会った。偶然ではあるが、この時「引き寄せの法則」と喜んでいたので、会えることを願っていたと考えると、響一なら金王丸になれる器があるかもしれないと感じていたのだと思う。その後、異世界の調査の依頼をしようとしたら、空に入った響一を見て、確信に変わったのかもしれない。
儀式がポポリレのイベントがあるスクランブルスクエアで行われたのは、葵桜の重要なメンバーは流歌が金王丸になるもの、と思っていたからではないか。そのプレッシャーを背負いつつも、自分よりも金王丸に相応しい響一を見つけ、金王丸になってくれることを願っていたのではないか。
最後のシーンで、白い桜の花びら(金王桜)が響一の顔についたときに、鼓が教えようとして「似合ってるからいっか」というところは、金王丸だから金王桜が似合うということなのではないか。響一が金王丸になったことを鼓が知っているのかはわからないが、そういう器に見えるという表現だと感じた。
「ゆるやかに流れていた風が、透き通った黄金色になって。響一の背中をそっと押した。」最後の一文は、前半だけ見ると、流歌が金王丸になったという表現か?とも受け取れるが、私は、流歌が、響一の背中を押した。つまり、響一なら金王丸になれると、勇気づけたという意味だととらえた。
おまけ
個人的に印象に残っているエピソード
結末には直接関係ないが、私が個人的にお気に入りのエピソードについて。
間が悪い日の話
この世界には、一定の空間と時間に対してざっくりとした台本が用意されている。
ぼーっとしていると、自動的に台本にそって動いてしまい、よくないことの連鎖に自分も巻き込まれてしまうことがある。だから、「間が悪い日かもしれない」と感じたら、意識してテンポをずらして、その台本から抜け出すようにしている。という話が書かれている。
この話は、ミルクティーさんが、以前YouTubeで紹介していた「TUFTI」と関係しているように思う。
個人的に、タフティは読んでおもしろかったので、いずれ読書感想も書こうと思う。
ちょっと語り口調に癖があるのと、分厚いのがネックだけど、内容は、人生の台本は自分で選ぶものということで、その方法が書かれている。スピリチュアルな要素もあるけど、大人になると自動的に台本にしたがっている瞬間がある人は多いと思うので、ハッとさせられる。響一の間の悪い日の話をきいて、気になった方はぜひ。
ネット民の暴走について
渋谷トライアングルで、行方不明者がどんどん増え、ネットに過剰なコンテンツが増えたころ、響一と鼓はそのことについて、よく思っていないようだった。
「みんなはなんて言ってる?」
「いよいよ予言の日が近づいているって言ってる人もいれば、宇宙人による地球人のアブダクションが始まったって言ってる人もいます。誘拐された人は記憶を消されて身体に刻印が刻まれるんだって。ほんと馬鹿みたい。」
「まあまあ、こういう時っていうのは、混乱に便乗して不安を煽ったり、注目を浴びようとしたりする人がいるもんだよ。」
「これなんて見てくださいよ。『人類滅亡か!助かりたければこの動画を見よ!』ですって。これが二百万再生…、中身見ましたけど話になんないですよ、まったく」
「確かに、これは酷いな」
これはオカルトや都市伝説の悪いところだが、大きな事件が起きると途端に暴走するのだ。それは配信者自身もそうだが、そのファンも刺激的な情報に突き進む傾向にある。それもあってMILK CITYではこの話題については触れないことに決めていた。
2025年の上半期、世間を賑わせ続けていた、7月5日の予言について、ミルクティーさんはいっさい触れていない。
都市伝説系はもちろん、違うジャンルの人や一般人も、ネットで大騒ぎし、「災害が来て日本が沈没する」だの、「世界が終わる」だの言っていた。海外の旅行客のキャンセルも増え、日本中どころか、世界中で注目されていたので、再生数を稼げるコンテンツであることは間違いなかった。
ミルクティーさんは東北出身で、東日本大震災をよく知っているからこそ、災害に対してはすごく冷静に「災害ってもっと無慈悲なもの」と生配信で話していたのが印象的だった。
ただいたずらに不安を煽ることは無意味で、そもそも都市伝説って、エンタメの一種であって、楽しめるものじゃないといけないと考えていると話していた。その予言には絶対に触れない強い意志を感じていたし、そんなミルクティーさんだから、毎晩安心して聴きたいと思えるのだった。
まとめ
ここまで読んでいただきありがとうございました。
ミルクティーさんの都市伝説はSF小説を読み聞かせてもらっているような、あくまで娯楽としての都市伝説で、とは言っても現実味がないということではなく、構成はしっかり練られていてわかりやすく、何より徹底的に調べた独自の見解がおもしろくて、密度の濃い贅沢なコンテンツなのだ。
この渋谷神域も、読み終えた後、神聖なものにふれたときの、心地よい緊張感がある。何度も読み返して、新たな発見をしていきたい。
気づいたことがあればぜひコメントで教えてください!
チランチララン…
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